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定期報告

(第1回)世界の動きからみた日本の木材市場
対円為替相場推移.jpg
これは、二国純生さんの最新の木材市場の動向に関する講義の一部です。皆様のご参考になればと思い、掲載させて頂きます。 二国さんは、木材コンサルタント・二国事務所を経営しておられ、木材業界での広い知識と知名度から、世界の企業を相手にコンサルタント業務をしておられます。更に、最近はコンサルタント業務に加えて、論文・投稿・講義など幅広く活躍しておられます。また、ボランティアとして、わがNPOのコンサルタントもしていただいており、定期的に木材市場に関してレポートおよび講義をしていただいております。

「世界の動きからみた日本の木材市場」ご承知のように、日本は食糧・燃料・原料の殆どを「輸入」に頼っています。住宅用の建築資材も同じです。木材関係の資材も約8割を輸入に頼っています。ですから「円安」になるとエネルギー費・輸送費のみならず木材関係資材もコストは上がっています。それを国内での加工工程・流通工程の合理化で値上げを押さえて来ています。 Beハウスの部材は、構造用材は欧州産の製材品(トウヒ属)を原料として国内で集成材に製造したものですし、面材はロシア産の丸太(カラマツ属)を合板にしたものでした。原料価格の輸入単価の推移を通関統計から拾い出したグラフをご覧下さい。
通関統計 輸入単価推移 2004-2007.jpg
2005年夏頃までは一定価格で安定していました。それぞれ、住宅建築資材としては品質・供給力・価格安定度から判断して最も優れた資材原料でした。しかし、2005年後半よりいろいろな事情でコストが大幅に高騰している状態です。最近の2年間で欧州産製材品は約4割、ロシア産丸太は約8割コストが上がっています。 最大の原因は円安です。対円為替相場推移をご参照下さい。
対円為替相場推移.jpg
米ドルは少し割安となっていますが、円に対しユーロもカナダドルも高くなっています。過去4-5年で約4割高くなっています。(土台に使用している米ヒバは主にカナダ産です) 原料の円建て輸入価格は値上がりし始めた上に、昨年からは産地での価格が高騰し始めその原因は収まる目処が少ない状態です。 欧州で昨年初より現地通貨建て木材価格が高騰しました。原因は拡大欧州域内の好景気による建築需要の増大です。特に東欧やバルト等の旧ソ連地域での復興需要が出ています。更に中近東や北アフリカ等の産油国での建築需要が旺盛で、木材だけでなく建築資材が全て高騰しています。欧州地域での輸出国である北欧からの輸出価格も約3割以上値上がりしました。 今までと大きく違うのはロシアの動きです。現在木材資源、特に原料である原木の最大の供給国はロシアです。従来はロシアからの供給が急拡大し、需給のバランスが取れたのですが、昨今ロシアは「資源」を外交の手段として使う方法で急速に国力を高めています。 今年2月には輸出木材原料に対し、高率の関税をかけると発表し、2009年1月1日からは輸出原木に8割の関税をかけ、それまでに暫時関税を上げてゆく事を発表しました。ここまで高率・急速では業界も対応が難しく困惑しているのが実情です。

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