メイン

2006年05月22日

3層パネルとはどんな材料か

LVL大判の板材としてオーストリアから輸入されている。
商品名は「バイオパネル(三層クロスプレス)」として静岡の株式会社興和で販売されている。


■材料について
・樹種:ホワイトウッド(主にフィンランド産)と、
 欧州赤松(スウェーデン・フィンランド南部産)の2種類。(比重は 0.38 〜 0.4 程度)
・寸法:原板として、t= 12,17,20,25,30,34,40 巾1,000〜1,250(厚さで違う)=5,000
・形状:幅ハギ材 合板仕様
・接着材:水性ビニールウレタン接着材
・表面の状態:片面モルダーの上サンダー仕上(80#)表面塗装ナシ

■製造について
・3層の構成は繊維方向を90°ずらしたウェブボード
・最大製作寸法は、1,250×5,500

■性能について
・ヤング係数(N/):10,000以上
・ホルムアルデヒド放散量:0.12以下

続きを読む "3層パネルとはどんな材料か" »

2006年05月21日

Be-floor(床用3層パネル)

多くの合理化認定工法では、床面の平面的な剛性をとる「火打梁」を省略する為、厚手の合板下地床を採用している例が多い。Be-h@us では、あえて「火打梁の省略」を謳うことをしていない。それは下地工事を排した床の直接仕上工事を目指したいと考えているためである。

破壊Be-h@us 以前の合理化認定工法で、合板下地床での複数回の水平構面実験を行った。その結果は、必ず合板端部の支点部分が捲り上がってしまうという結果となってしまった。これは現実の災害における建物では、床の厚いベニヤ合板が捲り上がり、柱や壁を破壊してしまうと想定される。それを避けるには、合板を10㎜程度の目透かし張りにする必要があるが、合板を下地として考えた場合、それは現実的ではない。
そのような実験経験をふまえて次のように考えた。

続きを読む "Be-floor(床用3層パネル)" »

2006年05月20日

断熱パネルを評価する視点

構造面から
面材は
■外部は、耐水性の高い針葉樹(ラーチ)構造用合板 t= 7.5 ユニクロメッキ N50 止メ
■内部は、目視に耐える針葉樹(エゾトド)構造用合板 t= 7.5 ステンレス N50 止メ破断・合板は、これ以上厚くなると枠に発生する応力が大きくなり面材より先に枠材が破断することがある。枠材は、横胴縁で米ヒバ集成材27×95 @500
■枠材を横胴縁にする理由
竪胴縁の耐力壁は鉛直構面実験を繰り返すとパネルの中心のスタッドが破断して終局を迎えるケースが非常に多い。とくに構造用面材を12以上にすると多く発生する。筋交材そのものが破断せず、それ以外のスタッドが破断する姿というのは、部材の設計が悪いと共に終局強度がない。言い換えれば終局時間が短いという非常に危険な姿である。

分割竪胴縁のパネルは構造面を4分割するより、横胴縁で5分割した方が1つのマスに加わる外力を20%低下させうるので、耐力を強化し易いし上下の枠材の間隔を小さくすることにより、合板の変形を小さくでき初期強度を強化することができる。これはより少ない変形で大きな強度を発生することができるということである。実物大の破壊実験の結果も概ねそのような結果になっている。
横胴縁にすることにより、枠材を二種類にすることができ工場内でパネル製造を機械化できるようになった。

■断熱材の構造面への影響
断熱性能はその性能が高いほど、外部と内部の温度差が大きくなることにより水蒸気圧が高くなり、冬期等は過乾燥の状態になる。その為、枠材等の形状変化が極めて激しくなり、常識的な乾燥材程度ではその変形に耐えることができない。あえて、米ヒバ集成材を使用している。

続きを読む "断熱パネルを評価する視点" »

2006年05月19日

断熱パネルとはどういうものか

取合い■性能面からは、冬期間何らかの熱源をベースに外気温が-5℃程度の時、室内表面温度が20℃を下がらず、起床時、結露の発生のない14℃程度の表面温度を維持できる。夏期は、日中の輻射熱を防ぎながら室内表面温度が外気温に限りなく近づけることができ、気密性能を1㎝以下に引き下げることが可能で(1㎝以下にしなければ換気システム等の気流のコントロールは不可能)、かつ、その性能を50年保守しながら維持できることに耐えうるもの(リフォーム、設備の更新、突然の事故、気まぐれ 等)その為には外から見て内部がどうなっているのか容易に理解できることも性能の一部であろう。
■又、理解しやすいものは自ずと施工安定性も向上する。

続きを読む "断熱パネルとはどういうものか" »

2006年05月18日

OS

card
Be-h@us はこの数ヶ月間で大幅な変貌を遂げた。
部材マニュアルとその価格公開から程なく、施工マニュアルと Be-tools という設計支援ツールを、ウェブからダウンロードが可能になったのだ。これで Be-h@us の基本的骨格の全てが公開されたことになる。
このような方向、システムの全てを公開しようという考えはあったが、この夏、Be-h@us がオフラインで多くの人の目に触れるであろう OZONE の企画に参加するという機会に、一気に乗越えてしまった。
価格公開でさえかなりの抵抗、工務店という作る側からあり、マニュアルの公開は製造する側からの心配を聞くこととなる。もう、なにも隠れているものはないし、隠すものもなにもない。その上でなにがありえるのか。
「Be-h@us は集成材・金物・パネルの新しい木の家の作り方です」から「OPEN で FREE な木の家の作り方です」と云えるようになったと思える。
-------
Be-h@us というシステムは、ある意味でコンピュータの OS(オペレーティング・システム)に近いと考えている。
Be-h@us という一戸の住宅を現実に作るということは、その OS に基づいたアプリケーションの一つなのである。工業化された木造軸組工法としての Be-h@us システムは一戸一戸の住宅を規定するものではなく、基本的な仕様「工業化された集成材・金物・パネル」を規定しているのに過ぎない。
Be-h@us の全て、価格・マニュアル・ツールを公開するということは、多くの人達と一緒にコンピュータの OS のように、それを鍛え上げていこうという企みなのだ。あのリナックス(Linux) のように。
公開された価格、マニュアル、ツールは、インターネット/ネットワーク上に多くの他者と共有したいと考えている。それらのアプリケーションを作りだし、OS をより使いやすい形に改良し、新しい機能を追加したりという動きを作りだしたいと考えている。それは「家の作り方」という「共有知」をネットワーク上に構築していけるのではないかと考えているのだ。
この「共有知」は伝統的地域共同体に特有のものである。本来「家の作り方」は、地域的な伝統的な世界の「共有知」であったはずのものである。その「家の作り方」はその共同体の消滅と同時に消えてしまった。それにとって変ったのが、ハウスメーカー、工務店という経済行為としての存在である。そして現在の家の作り方は「共有知」というよりも身勝手なものにすり替わってしまったのである。
インターネット上のネットワークという最新鋭と伝統的地域共同体というネットワークは、まったく関係のないように考えられるが、情報ということについては大変似通っている。そのネットでの情報の伝わり方は、経済関係によるものでないし、上下関係や契約関係によるものでもない。基本的には各個々の自発的な情報が互 いに誘発して形成し、その情報は十分に共有され、それは全体の組織体の「共有知」として形成されていく。
------
現在の資本主義経済システムにおいては企業間の競争を基盤とする。「情報の独占と縄張り」が経済活動の推進力であるから、社会全体としての「共有知」は決して形成されることはない。特に Be-h@us のような合理化工法として認定された木造住宅工法は、通常このように公開されることはなく、その膨大な開発費、宣伝費を賄うためフランチャイズ方式といった資本主義経済システムの上で独占的な使用権と縄張りの売り買いがなされるのが普通の世界である。
伝統的地域共同体に代るインターネット/ネットワークの世界こそが、新しい「共有知」を形成していく場になるであろう。
Be-h@us は、個々人の自由を立脚点にして、他者への信頼と共感をよりどころに、互いの知識や経験を共有したり交換していく。それは大きな流れとなっていくであろう。又、それは、リナックスと同じように従来の経済的な活動を否定したり排除するものではない、周辺部でそれを認めて共存していく。それはいままでの経済活動としての「家の作り方」の方向性も大きく転換させる可能性をもっている。

2006年05月17日

CITROHAN.net

CITROHANCITROHAN-1920-

シトロアンって聞きなれない名前ですが、ル・コルビジェが作った量産住宅・工業化住宅の名前です。自動車のシトロエンをもじったとか、乳母車の商品名とか云われています。
工場で作られる Be-h@us を使って、合理的な美しい「住宅」を作っていく人々のネットワークをシトロアン・ネットとよんでみようと思いました。

続きを読む "CITROHAN.net" »

2006年05月16日

オリジナル[工法]パーフェクト活用図鑑

■フォルクスハウス
「あのフォルクスワーゲンのような単純で明確なコンセプト、そんな住宅をつくりたいと思っている・・・」という話しからフォルクスハウスができた、それが1994年。OMソーラー協会からその加盟工務店に供給されるシステムとして累計3000棟以上が全国中に建てられている。 たくさんのフォルクスハウスが出来ていくのはうれしかった、しかしOMソーラー協会という組織の加盟工務店だけのシステムでは、数量的にもその質的にも限界があることに気がついた。又、その技術的な純粋さやその単純さは、ある意味での過激さ自体もうすまってくるのはやもうえないことなのかも知れない。 売れるための仕掛けは、徐々にフォルクスハウスらしさをも消えていってしまうような感じがしていた。そのフォルクスハウスの技術的発展をずーっと考えたいと考えていたのだが、家を作るシステムは、住まい手、そして作り手、その両者の意識の変革なしでは何も変わらないことにも気がついた。又、設計者の意識をも変わらざるをえないのだ。それは「セルフビルド」「ネットワーク」にあるのではないかと考えた。その時、「そうだポルシェを作ろう」と思った。フォルクスワーゲンがポルシェの基礎になったように。第2次世界大戦が終わった1945年、オーストリアの片田舎でフォルクスワーゲンの設計者ポルシェ博士(その時戦犯として獄中)の息子フュリーがポルシェ356を生み出した。それはフォルクスワーゲンのコンポーネントを使った小さな二人乗りのスポーツカーだったのだ。Be-h@us 、 ビー・ハウスという仕掛け、フォルクスハウスをもっと純粋にもっと合理的に、もっと自由に、そんな仕掛けを作ろうと考えた。

続きを読む "オリジナル[工法]パーフェクト活用図鑑" »